年齢を重ねると、若い時には見られなかった症状が現れます。東洋医学はもともと元気に天寿を全うする目的で発達した面があるため、こういった症状にも効果のある生薬があります。
アルツハイマー型認知症はβアミロイドの脳への蓄積が原因の一つとして言われていますが、なぜ蓄積するのかは分かってはいないようです。レビー小体型認知症や脳血管性認知症なども含め、脳内の血流低下が見られるようです。漢方的にも脳内の血の流れは最重要と考え、血流を良くする生薬が使われます。釣藤鈎などです。
耳鳴りや難聴では昔から水毒によるものが多いと言われます。現代で言えばリンパ液のことですが、音は耳の中のリンパ液を介して脳に電気信号として伝わるので、2000年前の漢方の考えと現代で同じことを示しています。耳鳴りや難聴では水毒を除く生薬が使われます。
年齢による頻尿は膀胱の筋肉が弱まり、1回に排泄される尿量が少ないことや、膀胱に溜められる尿量が少ないことによりますが、漢方ではそれを水毒と考えます。回数は頻繁ですが、1回にしっかり出ないので水が体に溜まった水毒なのです。そのためしっかり尿を出す生薬を服用することで1回の尿量が増え、その分、1日のトイレに行く回数が減ります。また、腎気(ここでは排泄機能を指す)が年齢とともに衰えているので腎気を増す生薬も使われます。
物忘れ、耳鳴り、難聴など年齢のお悩み
